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チョッパー誕生日おめでとう!
これからも怪我人たちをよろしく!

さて、クリスマスということで、クルクルバナーがクリスマス仕様になりました!
季節感あるサイトっぽい・・・。
くわえているのはゾロサンどうじんしだそうです。
こんな!無垢な顔をして!

えーと本当はクリスマスにあわせてクリスマス話をあげる予定だったのですが、
昨日書きながら、PCの前で寝てました。
メリークリスマス!

ということで、書きかけのさわりだけ日記にあげときます。。
無理やりでもクリスマスにかぶせたい。
何てことない短い話なので、週末にまとめてアップします。
ドキドキもはらはらもしない、相変わらずの平和な話ですが、
完結してないといやよーという方はこの先お飛ばしください。



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 薄暗い男部屋の片隅で、サンジは辺りを見回して小さくしゃがみ込んだ。
 おやつの時間を終えた夕方前、各々が手作業に勤しんだり、おしゃべりをしたり、無秩序に走り回ったりと、好き勝手に過ごす時間帯、ここは一番手薄になる。男部屋の掃除でもするかとサンジが立ち寄るか、寝相の悪いクルーのボンク周りをフランキーが点検している位だ。
 それでも用心しなければいけない。選ばれし者である自分は、完遂しなければならないミッションがある。
 物音に耳をそばだて、しん、と静まり返っていることを確認すると、胸の中に押し抱いていたものをそーっと広げた。一年ぶりに見るそれに穴など空いていては一大事である。軽く柔らかで、とりわけて鮮やかな色の布地を親指で慎重に撫で、変わりはないか確かめる。ふかふかとした手触りに似合わない真剣な表情で、サンジは入念にそれを確認した。

「ほほう」

 びく!と肩が震えてサンジはほとんど飛び上がった。
 しかし鼓動が上がるのもそのままに、広げた両腕を猛烈な速さで閉ざし、手首を回してぐいぐいと腕の中のものを隠す。
 そーっと首だけで振り返ると、本人より先にもくもくと広がるアフロが目に入った。サンジの肩口から興味津々という体で首を伸ばし、ぽっかり空いた眼孔で手元を見つめている。人間の顔には表情筋とやらがついていて、それが表情を作っているのだというが、骨だけの顔がここまで表情豊かなのは何故なのだろうか。

「・・・・・・お前ェか」

 タイミング的に驚きはしたものの、間近に骸骨が現れても驚かなくなったなと、しみじみ思う。体温なんてないはずなのに、今では温みすら感じる。彼を見ると妙に和むのも不思議だ。

「あなたがサンタさんでしたか」
「・・・」
 完全にばれたのに肯定したくない。今だって黒スーツの腕からサンタ帽の赤い布地と丸い綿毛がはみ出ているのだ。しかもクリスマスまであと五日となれば、丸分かりだろう。
 黙っているサンジに構わず、ブルックは朗らかに続けた。
「そうではないかと思っていたんですよ」
「・・・何で分かった」
「最近、たまに姿を消すでしょう。いつもならあなたは誰かに聞けばすぐ見つかるところにいる」
「・・・」
 むむう、とサンジは己の動きを反省した。今までこの船はほとんど子供ばっかりで、人の動きに気を配る面子ではなかったし、ロビンやフランキーは気がついても放っておく方であったから油断した。

 ぺたんと正座をしてサンジを見つめるブルックは、とても姿勢がいい。気まずいやら口どめしたいやらで落ち着かないサンジは、とりあえず合わせて正座をしてみた。普段なら立って並ぶと顔を真上に上げて話さなくてはいけないほど彼はのっぽであるが、こうしていると軽く見上げるだけで済む。しかしどうも、ジジィに説教をされていた時代を彷彿とさせる位置関係だ。これまた相手はジジィよりジジィである。

「サンタさん」
「お、おお」
 プレゼント届けに入ったら親に見つかったサンタの気持ちってこんなかな、と思いながら一応返事をする。
「無理を言ってすみませんが」
「なんだ」

「サンタ・・・替わってもらえませんか?」

 パンツ見せて頂けませんか、という位喜色の滲んだ声で、ブルックは言った。


「へ?」
 若干間の抜けた声が出たのは致し方ない。今年はブルックがこの船の一員になって初めてのクリスマスだ。サンタであるサンジとしては、反応を一番楽しみにしていた相手である。
「私もサンタだったんですよ」
 ヨホホ、とブルックはいつもより静かに笑った。何かを懐かしむ口調に、サンジもすんなりと時間を遡る。
「前の船でか?」
「ええ」
「お前が?」
「その頃は身がついてましたからね。それに万一誰か起きてしまっても、すぐ眠ってもらえますから」
「ああ!そうかあれは便利だな。俺は無理矢理気絶させるしかねェから大変だよ」
「ヨホホホ!それはプレゼントを貰う方も大変だ」
 薄い肩を反らして笑う。サンタ仲間が増えて何だか楽しい気分だ。サンタはサンタであることを原則として名乗ってはいけない。それに海上では一船一サンタと決まっている。だから他のサンタと出会うことは非常に貴重なのだ。しばらくの間、プレゼントや靴下のこと、翌日の盛り上がりについてなどを語り合う。

 男部屋の片隅で、大小の背中を揺らしながらコソコソと笑い合って一息ついた後、ブルックは遠慮がちに言った。
「そう、本当にサンタは楽しいですからね。だからあの・・・お仕事を奪ってしまうようで申し訳ないのですが」
「あー、いいよいいよ。つうか、お前こそいいのかよ。せっかくプレゼント貰える側にならうんだぜ?」
「ああ、それはいいんです」
 紳士的な声に、サンジは聞き入った。マナーのまったくなっていない骸骨であるが、本当の紳士のような物腰も持ち合わせている。それは年季のせいか環境のせいか、サンジにはまだ真似のできないものであった。
「もうね、貰いましたから」
「?」
「あの日、あなた方に逢えた。私にとってあれ以上のプレゼントはない。あとは自分で叶えるものでしょう?海賊ですから!」
「・・・・・・!」
 勢い良く言い切り胸を張ったブルックに、あの手配書の姿を見たようだった。

 いつか、サンジはブルックに聞いてみたいことがあった。
 あの船で、一人で待っていた時間について。
 自分は死ぬか生きるかであったけれど、彼は死んでよみがえった。そして待ち続けた。終わることのない待ち時間はどれほど恐ろしかっただろう。彼はきっと計り知れない闇と戦ったに違いなく、サンジはそれを聞くことすら恐ろしい。でもいつか聞いてみたいと思う。

「どうしました?」
 きょとん、と目があったらきっとそんな表情のブルックは、サンジを見て首を傾げた。そして「あ」と何かを思い出し、コン、と音を立てて両手を合わせた。
「あともう一つお願いがありまして」
「ん?」
「皆さんが喜ぶようなものを・・・一緒に考えてもらえますか?」
 今年だけ、と小さい声で続ける。サンジは手にしたサンタ帽をまっすぐ伸ばした腕でブルックに渡し、よし!と頷いた。
「じゃあ今年は俺が小人さんになってやろうじゃねェか!成功させるぞ、お前の初仕事!」
 サンジが力強く言うと、ブルックは感激したようにサンタ帽を胸に抱き、ハイ!と背を伸ばして返事をした。
 こうしてサニー号でのサンタクロースは、世代交代が行われた。


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ゾロサンです!これからゾロサンです!
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